行ってきました。「2007年の国際福祉機器展」
東京ビッグサイトの国際展示場で開催される 国際福祉機器展は 年々盛んになってきています。いつもは 駅から会場まで長いコースを歩かなければならないのですが、今年は シャトルバスが 送迎してくれました。 やはり 歩行や移動が困難な方も 大勢行くのですから、やっと、という感じです。
会場内は バーゲンセールの竹下通りのような賑わい、混雑。福祉関係の学生さんも多く、若々しい賑わいがある。 こういう人たちが、介護の担い手になるのかな。 疑問を抱きながらも、今回の目当ての国際シンポジウムの開催されるレセプションホールへ 直行しました。
注目は 国際シンポジウム「創設から10年、ドイツの介護保険の現状」です。
ドイツ厚生省EU議長タスクホース全欧州保険政策企画部長のオルトウィン・シュルツさんが ドイツの介護保険制度を 制定の理念から、現状まで、介護保険の実効の評価検証を含めて講演してくれました。
実に 実のある、目から鱗のスピーチでした。
いま日本で、政治家や政府が議論しているのは 高齢者医療にお金がかかるから、医療と切り離して介護保険制度を作った。しかし 介護保険も 高齢者層の急増や、想定以上のサービス利用で、厳しくなっているから、利用者の負担金を上げようとか、利用を制限する方向での、要介護認定の変更などの話ばかり。
シュルツさんの話は 介護保険法の制定の理念から、語り起こします。それは 年金制度や、健康保険制度にも共通する理念なのですが、個人と「社会」という共同体との関係を どのようなものとして日本人は築くのか、という問題です。
単純化して考えると、国として統一した健康保険制度も持たないアメリカ型で行くのか。勝者は 温かいフロリダで、清潔で安全なエリアで、自らの資産で豊かな老後を送り、国としての年金制度や介護保険制度を持たないことを 日本国民は 選択するのか。
あるいは ドイツに代表される欧州型の社会保障の仕組みを持つのか。今回 シュルツさんの話で 明らかになった、ドイツ型の介護保険制度が 日本と大きく違う点も明らかになりました。ひとつは 理念として、欧州全体で「社会連帯」という意識を共有していること。「社会連帯」は 文字通り、「人々が、参加し助け合う」概念だといいます。 共同体に参加したものは 「助け合う」。 これは フランス革命以来の「自由・平等・博愛」の 「博愛」に 通じるものだといいます。 日本で 介護保険は「世代間連帯」と理解されますが、日本では ドイツで採用されたような、「子を持たない被保険者の負担金増額」のシステムは 導入されていません。 日本では あえて 「社会連帯」と言わなくても、漠然とした、共同体の連帯がある様ですが、アメリカ型に傾く政治家たちが 声高い現在、「社会連帯」とあえて自覚するしよう、と思うのでした。
それから ドイツの介護保険では 「介護保険給付は 長期介護の費用の一部を補うものとする」事が 成立時からの、基本原則として 理解されていたことです。
これは 特養など施設入所の措置制度から、「措置から契約へ」と介護サービスへの転換を進めてきた日本と 大きく異なる点です。日本人の高齢者の果たしてどれだけの人が、自分に必要な介護サービスを契約で購入しているのでしょうか?
日本の介護サービスは ケアマネージャーという、中間層の介入を受けて、ケアプランを作らなければ、利用できません。 ドイツには ケアマネというシステムはないとのことでした。 自分に必要な介護は 自分で考え、選択する。ですから、介護サービスの現物給付でもいいし、換算すると金額は 半額になるが、現金で受け取ってもいいという制度だということでした。
全部は 説明しきらないのですが、アメリカ型自由競争至上主義の社会保険の薄い社会やりきれない。「社会連帯」という理念を自覚的に持ちたい。 共同体支えあうけど、介護施設所属のケアマネに利用サービス内容まで決められるのは 不本意だな、と思ったのでした。もう少し 個人を尊重して、あるいは 金銭で受領する介護保険も考察する必要があるのでは、と考えさせられました。
帰り道は 駅までのプロムナードを 歩きました。 考えながら歩くには いい距離です。
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