変身願望

いつだって、誰だって変身願望はある。 ブラジル リオのカーニバルでは 日本人移民100年を記念して、日本人の仮装をした一群が 乱舞していた。カーニバルのその日に、すべてのしがらみを忘れて、祭りの熱狂に身を任すのは 最高の発散だ。

私たちの生活の中にも ささやかな「晴れ」の日はあった。 お正月だけ、晴れ着の着物を着て、初詣に行った。 3月のひな祭りとか、お誕生日に友達を家に呼ぶときは いつもよりおしゃれをして、きれいなワンピースを着たことを 覚えている。

現代のティーンは お正月でも 晴れ着を着ることもなく、街のお祭りやイベントは ダサい、とばかりに 自ら独自に晴れの舞台を演出している。

晴れた週末の表参道、後楽園は 華やかで多彩なコスプレ集団の舞台です。それぞれがオリジナルにコスプレを競い、装いの丁寧な成り切りぶりに 息をのみます。どこかのアニメショウが そのまま始まりそうな勢い。眠らずに頑張って、大きな荷物を持って、朝一番の始発で来たのかな、と思われる雰囲気。外人さんたちに カメラを向けられ、ひと時のスター気分。つかの間の非日常の「晴れ」の世界を楽しんでいるのでしょう。

コスプレにかけたエネルギーの大きさは 傍目にも実に感動的です。こうした晴れのエネルギー発散の場が 素敵な文化イベントとして 成長しないのかな、と思うのです。

大人だって たまには 非日常のおしゃれをして、シティーホールにダンスに行くとか、楽しいコンサートを聴きに行くとかしたいと思うのです。着物が着られなくなった一因に 着ていく場所がなくなったから、というのがあります。 初詣の晴れ着も、成人式の晴れ着も、影を薄めるこの頃・・・。ちょっと さびしいな と思います。でも 最近ある場所で、海老茶の着物姿で、まったく自然に仕事をしている20代の女性と出会い、希望を感じました。 

今年は 生活の中に 積極的に「晴れの日」、「晴れの舞台」を作りこもうと思っています。そして そんな日は とびっきりのおしゃれをして、いつもの自分とまったく違ったキャラクターになってみる、そんな小さな冒険をすると 日々がとっても楽しくなりそうで、わくわくしてきます。・・・デジタルの中の仮想人物より ずっと 面白いと思うのです。

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